中学受験で親が丸つけをするべきか

中学受験で、親が丸つけをするべきか。

結論からいうと、5年生までは親が丸つけに関与した方がよいです。

6年生になれば、子どもの様子を見ながら、自分で丸つけをさせてもよいです。
ただし、その場合でも、親がまったく見なくてよいわけではありません。

少なくとも、

「本当に丸つけをしているか」
「間違えた問題を直しているか」
「漢字のミスをごまかしていないか」
「解き直しまで終わっているか」

は確認すべきです。

中学受験では、丸つけは単なる作業ではありません。
丸つけは、子どもの学習状況を知るための重要な診断です。

ただし、注意点があります。

丸つけを、親が怒る機会にしてはいけません。

間違いを見つけるたびに怒る。
字が汚いと怒る。
漢字のミスで怒る。
計算ミスで怒る。
「なんでこんな問題を間違えるの」と責める。

これをやると、子どもは丸つけを嫌がります。

最悪の場合、間違いを隠すようになります。

丸つけは、子どもを責める時間ではありません。
できていないところを見つけ、次にできるようにするための時間です。

親の怒り方については、
中学受験で子どもを怒るときに親が決めておくべきルール
でも詳しく書いています。

5年生までは親が丸つけをした方がよい

中学受験では、5年生までは親が丸つけにかなり関与した方がよいです。

理由は単純です。

小学生は、まだ自分のミスを正確に見られないからです。

特に、塾の宿題が多い子の場合、丸つけがかなり雑になります。

答えを見て、赤丸をつけるだけ。
間違えた問題にバツをつけるだけ。
解説を読まずに終わる。
直しをしたことにする。
本当は分かっていないのに、赤で正しい答えを書くだけ。

こういうことはよくあります。

親からすると、

「丸つけくらい自分でできるでしょ」

と思うかもしれません。

しかし、中学受験の丸つけは、学校の宿題の丸つけとは違います。

ただ正解・不正解を確認するだけではありません。

その問題をなぜ間違えたのか。
次に同じタイプの問題が出たら解けるのか。
計算ミスなのか、理解不足なのか。
漢字を覚えていないのか、雑に書いただけなのか。
国語なら、本文を読めていないのか、選択肢の切り方が甘いのか。

ここまで見る必要があります。

特に5年生は、学習内容が一気に重くなります。

算数では割合・速さ・比・図形などが増え、国語でも読解や記述の負担が大きくなります。

この時期に丸つけを子ども任せにしすぎると、間違いが放置されやすくなります。

塾の宿題管理については、
中学受験で宿題が終わらない家庭が見直すべきこと
でも書いていますが、宿題は「終わらせること」自体が目的ではありません。

できなかった問題を見つける。
解けるようにする。
類題で再現できるようにする。

ここまでやって、初めて宿題に意味があります。

その入口が丸つけです。

だから、5年生までは、親が丸つけに関与した方がよいです。

6年生からは自分で丸つけしてもよいが、確認は必要

6年生になると、子どもによっては自分で丸つけをさせてもよいです。

受験本番が近づくにつれて、自分で学習を管理する力も少しずつ必要になります。

過去問演習も始まります。
塾の宿題も重くなります。
模試も増えます。

この時期に、すべての丸つけを親が完全に抱え込むと、親の負担もかなり大きくなります。

だから、6年生からは、

「基本は自分で丸つけ」
「ただし親が確認する」

という形でもよいです。

ただし、完全放置は危険です。

子どもによっては、自分で丸つけをさせると、かなり雑になります。

答えだけ写す。
バツをつけない。
間違えた問題を飛ばす。
漢字のトメ・ハネ・ハライを見ない。
記述の採点を甘くする。
社会の漢字指定をひらがなで済ませる。
算数の途中式を見ない。

こういうことがあります。

特に、漢字のミスはごまかしが出やすいです。

本人は「だいたい合っている」と思っている。
しかし、入試ではそれでは通らないことがあります。

たとえば、社会の用語で漢字を間違えている。
国語の漢字で一画足りない。
理科の語句を書き間違えている。
算数の単位を書いていない。

こういう細かいミスは、子ども任せにすると流れやすいです。

だから、6年生で自分で丸つけをさせるとしても、親は確認すべきです。

毎回すべてを細かく見る必要はありません。

ただし、

「間違えた問題に印がついているか」
「解き直しをしているか」
「漢字や語句を甘く採点していないか」
「過去問の採点を適当にしていないか」

は見るべきです。

模試についても同じです。

模試は受けて終わりではありません。
返却後に、どの問題を落としたかを見る必要があります。

模試返却後の対応については、
中学受験で模試が返却されたら親がするべきこと
でも詳しく書いています。

6年生は、自立させる時期ではあります。
しかし、完全に放置する時期ではありません。

丸つけは怒る時間にしてはいけない

親が丸つけをするときに、一番気をつけるべきことがあります。

それは、丸つけを怒る時間にしないことです。

親が丸つけをすると、どうしても間違いが見えます。

「また同じ問題を間違えている」
「昨日も言ったのに」
「なんでこんな漢字を間違えるの」
「計算ミスが多すぎる」
「ちゃんと読んでいないでしょ」

こう言いたくなる場面はあります。

しかし、丸つけのたびに怒られると、子どもは丸つけそのものを嫌がります。

そして、間違いを隠すようになります。

これはかなり危険です。

中学受験で本当に困るのは、間違えることではありません。

間違いが見えなくなることです。

間違いが見えれば、対策できます。

計算ミスが多いなら、計算練習を増やす。
漢字ミスが多いなら、毎日の漢字確認をする。
国語の選択肢で迷うなら、選択肢問題の解き方を確認する。
算数の文章題で崩れるなら、線分図や表の書き方に戻る。
理社の暗記が抜けているなら、短い確認を増やす。

しかし、子どもが間違いを隠すようになると、親も講師も対策できません。

だから、丸つけでは怒りすぎないことが大切です。

もちろん、何も注意しなくてよいという意味ではありません。

約束したのに丸つけをしていない。
答えを写しただけ。
間違いを消してごまかした。
テストを隠した。

こういう場合は、叱る必要があります。

ただし、その場合も、叱る根拠は明確にすべきです。

「約束を破ったから叱る」
「ごまかしたから叱る」
「やると決めた解き直しをしていないから叱る」

この形です。

親の感情で怒るのではなく、ルール違反に対して叱る。

この考え方は、
中学受験で子どもを怒るときに親が決めておくべきルール
と同じです。

丸つけは、親の不安をぶつける時間ではありません。

子どもの弱点を見つける時間です。

丸つけで見るべきなのは、点数より間違い方

丸つけで大事なのは、点数だけを見ることではありません。

もちろん、点数も大事です。

しかし、中学受験では、点数以上に間違い方を見る必要があります。

同じバツでも、中身はまったく違います。

たとえば算数なら、

計算ミスなのか。
問題文の読み違いなのか。
単元の理解不足なのか。
途中式が雑なのか。
図を書かなかったから崩れたのか。
時間が足りなかったのか。

これによって、対策は変わります。

国語でも同じです。

本文を読めていないのか。
問題文を読めていないのか。
選択肢の比較ができていないのか。
記述で聞かれていることに答えていないのか。
語彙が弱いのか。

国語の読み方については、
中学受験で国語が伸びない子は問題文を読めていない
や、
中学受験の国語が苦手な子は選択肢問題から始めるべき理由
でも詳しく書いています。

理科・社会も同じです。

暗記不足なのか。
用語は知っているが問題文が読めていないのか。
計算分野だけ弱いのか。
漢字で書けないのか。
グラフや表の読み取りが弱いのか。

丸つけは、こうした原因を見つけるためのものです。

だから、親が丸つけを見るときは、

「何点だったか」
「何問合っていたか」

だけで終わらせない方がよいです。

「なぜ間違えたか」
「次に同じ問題が出たら解けるか」
「類題で再現できるか」

を見る。

成績が伸びない家庭では、ここが抜けていることが多いです。

詳しくは、
中学受験で成績が伸びない5つの原因
や、
中学受験で成績が伸びなかった子に共通する特徴
も参考になります。

丸つけは、点数確認ではなく、弱点診断です。

受かってから自分でできるようになればよい

「いつまでも親が丸つけをしていてよいのか」
「自立できなくなるのではないか」
「本当は自分でやらせるべきではないか」

こう考える親御さんもいると思います。

もちろん、子どもが自分で丸つけをし、間違いを分析し、解き直しまでできるなら、それが理想です。

しかし、現実には、小学生でそこまで完璧にできる子は多くありません。

中学受験は、小学生の受験です。

親がかなり関与してよいです。

丸つけも同じです。

5年生までは親がかなり関与する。
6年生からは様子を見て自分でやらせる。
ただし、確認はする。

このくらいで十分です。

自分で管理する力は、中学に入ってからでも育ちます。

むしろ、中学受験の時期に、

「自立させなければ」

と考えすぎて、必要な管理を外してしまう方が危険です。

受かってから、自分でできるようになればよい。

中学受験期は、親が伴走してよいです。

もちろん、親が全部を抱え込みすぎて、子どもが何も考えなくなるのはよくありません。

だから、

「丸つけは親が見る」
「ただし、間違いは本人に確認させる」
「解き直しは本人にやらせる」
「次にどうするかは一緒に決める」

という形がよいです。

家庭だけで丸つけや解き直し管理が難しい場合は、家庭教師や個別指導を利用するのも一つの方法です。

家庭教師をつける時期については、
中学受験で家庭教師をつけるならいつからがよいか
で詳しく書いています。

家庭教師をつけるべきか迷っている場合は、
中学受験で家庭教師をつけるべきか迷ったときの判断基準
も参考にしてください。

まとめ:丸つけは親が関与してよいが、怒る場にしてはいけない

中学受験で親が丸つけをするべきか。

結論は、5年生までは親が丸つけに関与した方がよいです。

6年生からは、子どもの様子を見て、自分で丸つけをさせてもよいです。

ただし、その場合でも親の確認は必要です。

特に、

  • 漢字のミスをごまかしていないか
  • 間違いを飛ばしていないか
  • 答えを写しただけになっていないか
  • 解き直しまで終わっているか
  • 過去問の採点を甘くしていないか

は見るべきです。

丸つけは、点数を確認するだけの作業ではありません。

子どもの弱点を見つけるための診断です。

ただし、丸つけを怒る時間にしてはいけません。

間違いを見つけるたびに怒っていると、子どもは間違いを隠すようになります。

中学受験で大事なのは、間違えないことではありません。

間違いを見つけて、次にできるようにすることです。

親が丸つけに関与する。
間違い方を見る。
解き直しまで確認する。
でも、怒る場にはしない。

この形が、中学受験家庭では一番現実的です。

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