中学受験で子どもを怒るときに親が決めておくべきルール

中学受験で、親が子どもを叱る場面はあります。

「怒ってはいけない」「叱ってはいけない」という綺麗事だけでは、家庭は回りません。

宿題をやらない。
約束した時間に始めない。
解き直しをしない。
ゲームのルールを破る。
塾のプリントを出さない。
テスト直しを隠す。

こういう場面で、親が何も言わないわけにはいきません。

ただし、問題は叱ること自体ではありません。

問題は、親の感情の起伏で叱ることです。

昨日は見逃したのに、今日は怒鳴る。
同じことをしても、親の機嫌がいい日は許され、疲れている日は激怒される。
これは中学受験ではかなり危険です。

子どもから見ると、ルールに従っているのではなく、親の機嫌を読むゲームになってしまうからです。

中学受験で親が子どもを叱るなら、叱る場面をあらかじめ固定化しておくべきです。

ルールを決める。
子どもと共有する。
守らなかったら叱る。
それ以外では、親の感情で怒らない。

この形にする必要があります。

なお、親の言葉が子どものメンタルに与える影響については、関連記事の
中学受験で親が言いがちなNGワード5選
でも詳しく書いています。

叱ること自体は悪ではない

中学受験では、親が子どもを叱る場面は当然あります。

小学生はまだ未熟です。

長期目標から逆算して、自分で勉強計画を立て、毎日淡々と実行し、誘惑を管理し、模試の結果を冷静に分析する。

そんなことが最初からできる小学生は、ほとんどいません。

だから、親が生活・勉強・時間管理に関与すること自体は自然です。

たとえば、次のような場面です。

  • 塾の宿題をやると決めたのに始めない
  • ゲームは45分までと決めたのに1時間以上やっている
  • 間違えた問題の解き直しをしない
  • 模試の答案を親に出さない
  • 漢字・計算などの基礎トレを雑に済ませる
  • 「やった」と言いながら実際には丸つけすらしていない

こういう場合に、親が注意するのは当たり前です。

むしろ、何も言わずに放置すれば、子どもは「これでいいんだ」と学習してしまいます。

中学受験は、家庭の管理力が結果に直結します。

宿題管理については、
中学受験で宿題が終わらない家庭が見直すべきこと
でも詳しく書いています。

また、ゲームとの付き合い方については、
中学受験でゲームは何分までなら許していいのか
も参考になります。

したがって、親が叱ること自体は否定しなくてよいです。

問題は、叱り方です。

親の感情で怒ると、子どもは勉強ではなく親の機嫌を見る

一番ダメなのは、親の感情で怒ることです。

たとえば、同じ「宿題を始めない」という行動でも、親に余裕がある日は、

「そろそろやりなさいよ」

で終わる。

しかし、親が疲れている日や、仕事で嫌なことがあった日には、

「何回言わせるの!」
「だから成績が上がらないんでしょ!」
「もう受験やめれば?」

と爆発する。

これは、子どもにとって非常に分かりにくいです。

同じ行動をしているのに、ある日は軽く済み、ある日は激しく怒られる。

そうなると、子どもはルールを理解するのではなく、

「今日はお母さんの機嫌が悪そうだ」
「今は言わない方がいい」
「怒られないように隠そう」

という方向に頭を使います。

これは中学受験においてかなり悪い状態です。

本来、子どもが考えるべきなのは、

「今日の宿題は何か」
「どこまで終わらせるべきか」
「どの問題を解き直すべきか」
「次のテストで何を改善するか」

です。

しかし、親の怒り方が不安定だと、子どもの関心は勉強ではなく、親の機嫌に向かいます。

この状態が続くと、親子喧嘩が増え、勉強そのものへの拒否感も強くなります。
親子喧嘩が増えている家庭は、
中学受験で親子喧嘩が増える家庭に足りないもの
もあわせて読むとよいです。

また、子どものメンタルが崩れ始めている場合は、
中学受験でメンタルが崩れる子に親がしてはいけないこと
も確認してください。

中学受験で叱るなら、親の気分ではなく、事前に決めたルール違反に対して叱る形にするべきです。

叱る前にルールを具体的に決める

叱るには、先にルールが必要です。

ルールがないのに叱るのは、かなり危険です。

たとえば、

「ちゃんと勉強しなさい」
「もっと真面目にやりなさい」
「集中しなさい」
「やる気を出しなさい」

これらは、親としては自然に言いたくなる言葉です。

しかし、子どもからすると抽象的すぎます。

何をすれば「ちゃんと」なのか。
何分やれば「真面目」なのか。
どこまで終われば「やった」ことになるのか。

これが分かりません。

だから、ルールは具体的にします。

たとえば、算数なら、

「塾の宿題は、基本問題と標準問題を水曜日までに1回解く」
「間違えた問題は、翌日もう一度解く」
「解説を読んでも分からない問題は、印をつけて質問用に残す」

国語なら、

「読解問題は丸つけだけで終わらせない」
「間違えた選択肢について、なぜ違うのかを一言書く」
「記述問題は空欄にしない。最低でも一文は書く」

国語が苦手な子については、
中学受験で国語が伸びない子は問題文を読めていない
や、
中学受験の国語が苦手な子は選択肢問題から始めるべき理由
も参考になります。

生活面なら、

「帰宅後30分休憩したら勉強を始める」
「ゲームはやるべきことが終わった後に45分まで」
「塾のプリントは帰宅後すぐに決まった場所に出す」

このくらい具体的にする必要があります。

ルールが具体的であれば、叱る基準も明確になります。

逆に、ルールが曖昧なままだと、親の気分でいくらでも叱れてしまいます。

それは、子どもにとって理不尽です。

ルールは子どもと共有してから叱る

ルールは、親の頭の中にあるだけでは足りません。

子どもと共有する必要があります。

親は、

「このくらい分かっているはず」

と思いがちです。

しかし、小学生は親が思っているほど、暗黙の了解を理解していません。

だから、叱る前に、

「うちでは、ここまでは必ずやる」
「これを守らなかったら注意する」
「この約束を破ったら叱る」

と明確に共有しておく必要があります。

たとえば、ゲームについてなら、

「ゲームは平日45分まで。宿題と解き直しが終わってから」
「時間を超えたら、翌日はゲームなし」
「隠れてやった場合は、週末もゲームなし」

ここまで決めておく。

ゲームを完全に禁止すべきかどうかについては、
中学受験でゲームを禁止してはいけない理由
でも詳しく書いています。

宿題についてなら、

「水曜日までに算数の基本問題を終わらせる」
「木曜日は間違えた問題の解き直しをする」
「金曜日までに質問する問題を決める」
「これをやらずに土曜日を迎えたら叱る」

という形です。

ここで大事なのは、親が一方的に命令するだけでなく、子どもにも確認することです。

「これでできそう?」
「何時からなら始められる?」
「どこが大変そう?」

と聞く。

子どもが納得していないルールは、守られにくいです。

もちろん、最終的には親が決めてよいです。

ただし、子どもがルールの存在を理解していない状態で叱るのは避けるべきです。

叱るなら、まず共有。
共有してから、違反があったときに叱る。

この順番が必要です。

叱るのは「債務不履行」のときだけにする

中学受験で親が叱る場面は、かなり法的に考えた方がよいです。

つまり、親子間でも一種の約束がある。

その約束を守らなかった。

だから叱る。

この形です。

言い換えれば、債務不履行があったときだけ叱るということです。

たとえば、

「火曜日の夜までに漢字を2ページやる」
「水曜日までに算数の基本問題を終わらせる」
「ゲームは45分まで」
「模試の答案は返却日に親に見せる」

こういう約束をしていた。

それなのに守らなかった。

この場合は叱ってよいです。

なぜなら、叱る根拠が明確だからです。

「約束したよね」
「ここまではやると決めたよね」
「だから、これは注意する」

と言える。

逆に、約束していないことまで、その場の感情で怒るのはダメです。

たとえば、

「なんで偏差値が上がらないの!」
「どうしてこんな問題もできないの!」
「こんな成績でどうするの!」
「やる気あるの?」

これは、ルール違反に対する叱責ではありません。

多くの場合、親の不安や焦りの放出です。

偏差値が上がらないこと自体を叱っても、子どもは何を改善すればよいか分かりません。

成績が伸びないときは、叱る前に原因を分解する必要があります。
詳しくは、
中学受験で成績が伸びない5つの原因
を読んでください。

また、成績が伸びない子の共通点については、
中学受験で成績が伸びなかった子に共通する特徴
でも整理しています。

結果が悪かったときに見るべきなのは、

「解き直しをしたか」
「正答率70%以上の問題を落としていないか」
「宿題をやりっぱなしにしていないか」
「類題演習までできているか」
「睡眠時間が崩れていないか」

です。

模試の返却後に何を見るべきかは、
中学受験で模試が返却されたら親がするべきこと
で詳しく書いています。

行動上の約束を破っていたなら叱る。
努力したが結果が出なかったなら、叱るのではなく分析する。

この区別が大事です。

まとめ:叱ることを固定化すれば、親子関係は崩れにくい

中学受験で、親が子どもを叱ることはあります。

それ自体は悪ではありません。

むしろ、親が何も言わずに放置すれば、家庭学習は崩れます。

ただし、叱る基準は固定しておくべきです。

親の気分で怒る。
疲れている日に爆発する。
昨日は許したことを今日は激しく責める。
偏差値や結果だけを見て怒る。

これはよくありません。

子どもは勉強ではなく、親の機嫌を見るようになります。

中学受験で親が叱るなら、順番はこうです。

ルールを決める。
子どもと共有する。
守らなかった場合だけ叱る。
それ以外は、感情で怒らない。

この形にすれば、子どもも納得しやすくなります。

「怒られた」のではなく、
「約束を破ったから注意された」
と理解できるからです。

中学受験は、親子で長く続く戦いです。

だからこそ、親の感情の起伏に子どもを付き合わせてはいけません。

叱る場面を固定化する。
ルール違反のときだけ叱る。
結果が悪いときは怒るのではなく、原因を分析する。

これが、中学受験家庭で親が子どもを叱るときの基本です。

家庭だけで管理しきれない場合は、第三者を入れるのも一つの方法です。
家庭教師を検討する場合は、
中学受験で家庭教師をつけるべきか迷ったときの判断基準
や、
家庭教師をつけても成績が上がらない家庭の特徴
も参考にしてください。

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