中学受験で宿題が終わらない家庭が見直すべきこと

中学受験で宿題が終わらない家庭は、かなり多いです。

特に、SAPIX、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研などの大手塾に通っている場合、宿題量は相当なものになります。

算数の授業復習。
国語の読解。
理科社会の暗記。
漢字。
計算。
テスト直し。
週テストや組分けテストの対策。

これをすべて完璧にこなそうとすると、家庭が回らなくなることがあります。

ただし、ここで間違えてはいけません。

中学受験で大切なのは、宿題を終わらせることではありません。

次に同じような問題が出たときに、確実に得点できるようにすることです。

つまり、見るべきなのは「ページが埋まったか」ではありません。

類題で再現できるか。
テストで取れるか。
同じ考え方を別の問題で使えるか。
一週間後にも解けるか。

ここです。

宿題が終わらない家庭ほど、まず考えるべきなのは「もっと頑張ること」ではなく、取捨選択です。

SAPIXも早稲田アカデミーも四谷大塚も日能研も、教材には幅があります。

基本問題から応用問題まで入っています。

すべての子が、すべての問題を同じ重さでやる必要はありません。

今の偏差値、志望校、得意不得意、残された時間に応じて、やるべき宿題を絞る必要があります。

SAPIXでは算数の教材として「デイリーサピックス」「デイリーサポート」「ウィークリーサピックス」「サンデーサピックス」「基礎力トレーニング」「基礎力定着テスト」などが公式に挙げられています。

四谷大塚では「予習シリーズ」に加えて、「予習シリーズ 演習問題集」「予習シリーズ 計算」「予習シリーズ 漢字とことば」などがあります。

日能研では「本科教室」「栄冠への道」「計算と漢字」などが家庭学習の中心になります。

どの塾でも、教材は基礎から応用まで広く設計されています。

だからこそ、現在地に合わない問題まで無理に全部やろうとすると、かえって成績が伸びにくくなります。

宿題が終わらないのは、子どもの怠けだけではない

宿題が終わらないと、親はついこう思います。

やる気がない。
集中力がない。
だらだらしている。
本気で受験する気がない。
もっと早くやれば終わるはず。

もちろん、そういう場合もあります。

しかし、宿題が終わらない原因を、すべて子どもの怠けで片づけるのは危険です。

実際には、宿題量が子どもの処理能力を超えていることがあります。

授業内容を十分に理解できていない。
標準問題で時間がかかる。
難しい問題に引っかかって止まる。
解き直しまで手が回らない。
漢字や計算の基礎トレーニングが後回しになっている。
理社の暗記が溜まっている。

こういう状態では、根性で全部終わらせようとしても無理があります。

特に大手塾では、上位層まで想定した教材や課題が出ます。

そのため、現在の学力に合わない問題まで全部処理しようとすると、家庭学習が崩れます。

宿題が終わらない家庭でまず見るべきなのは、子どもの根性ではありません。

宿題の量と難度が、今の子どもに合っているかです。

そしてもう一つ。

その宿題が、得点につながっているかです。

たくさん解いている。
ノートは埋まっている。
丸つけもしている。
解説も読んでいる。

それでも、テストで同じ型の問題を落とすなら、その宿題はまだ「得点化」されていません。

宿題は、やっただけでは意味がありません。

類題で再現できて、初めて意味があります。

塾の宿題を全部やることが目的になっている

宿題が終わらない家庭で多いのは、塾の宿題を全部やることが目的になっているケースです。

テキストの指定範囲を全部やる。
算数の難しい問題まで全部やる。
国語の記述も全部やる。
理社の確認問題も発展問題も全部やる。
テスト直しも全部やる。

もちろん、理想を言えば全部できるに越したことはありません。

しかし、現実には時間も体力も限られています。

全部やろうとして、結局どれも中途半端になる家庭は多いです。

算数の基本問題が固まっていないのに、応用問題に時間を使う。
漢字や計算が雑なのに、難しい問題ばかりやる。
理社の基本知識が入っていないのに、発展問題に手を出す。
国語が苦手なのに、記述問題ばかりやる。

これでは、宿題をやっているように見えて、得点力は上がりません。

塾の宿題は、全部やるためにあるのではありません。

成績を上げるためにあります。

もっと正確に言えば、入試や模試で得点できる問題を増やすためにあります。

だから、宿題が終わらないなら、何をやるか以上に、何をやらないかを決める必要があります。

「全部やったけれど、何も残っていない」

これが一番危険です。

それよりも、

「全部はできなかったが、今週の重要単元の標準問題は確実に取れるようになった」

この方が強いです。

宿題の目的は、処理ではありません。

再現性です。

算数は、まず基礎教材と標準問題を固める

宿題の取捨選択で特に重要なのは算数です。

算数は、難しい問題に時間を吸われやすい科目です。

SAPIXであれば、「デイリーサピックス」「デイリーサポート」「基礎力トレーニング」「基礎力定着テスト」などを軸に、授業内容と基礎の定着を確認する必要があります。

最難関校を狙う段階でなければ、まずはA・B・Cレベルの問題をしっかり固めるべきです。

D問題やE問題に長時間突っ込む前に、基本から標準レベルの問題を確実に取れるようにする。

ここが先です。

四谷大塚系であれば、「予習シリーズ」「予習シリーズ 演習問題集」「予習シリーズ 計算」をどう回すかが重要です。

四谷大塚の模試で偏差値50に届いていない段階なら、まずは星2つ程度までを安定させるべきです。

星3つの問題に時間を使う前に、星1つ、星2つの問題を取り切る。

これが大切です。

早稲田アカデミーの場合も、四谷大塚系の教材やカリキュラムを使いながら、校舎やクラスに応じて課題が重くなることがあります。

日能研なら、「本科教室」「栄冠への道」「計算と漢字」などが家庭学習の中心になります。

どの塾でも、基礎教材と標準問題を飛ばして応用問題ばかりやるのは危険です。

偏差値50に届いていない子が、難問に長時間使っている場合、かなりの確率で勉強の順番を間違えています。

この点は、塾講師・家庭教師として見てきた、成績が伸びなかった子の特徴でも書きました。

難しい問題をやっているから偉いのではありません。

今の子どもが取るべき問題を、確実に取れるようにする方が重要です。

算数では、特に「解けた気がする」が危険です。

授業で分かった。
解説を読んで分かった。
親に説明されて分かった。
先生の板書を写して分かった。

これだけでは、まだ点数になりません。

次に類題が出たとき、自分で手を動かして解けるか。

ここで初めて判断します。

類題で再現できなければ、宿題をやったとは言えない

宿題で一番大事なのは、類題の再現性です。

一度解いた問題を見直して、「分かった」と思う。
解説を読んで、「なるほど」と思う。
赤で直して、ノートが完成する。

これだけでは弱いです。

中学受験のテストでは、まったく同じ問題がそのまま出るわけではありません。

同じ考え方を使う問題。
数字を変えた問題。
条件を少し変えた問題。
聞かれ方を変えた問題。

こういう形で出ます。

だから、宿題で大切なのは、解いた問題そのものを覚えることではありません。

同じ型の問題を、別の形で出されても解けるようにすることです。

たとえば、算数の割合であれば、授業で扱った問題を見て分かるだけでは足りません。

類題で、線分図を書けるか。
比を置けるか。
何を1と見るか判断できるか。
条件を整理できるか。
最後まで計算を合わせられるか。

ここまで必要です。

速さの問題なら、旅人算の式を覚えるだけでは足りません。

誰が、どこから、どの向きに、どれだけの速さで動くのか。
出会いなのか、追いつきなのか。
時間差があるのか。
図にして整理できるか。

ここまでできて初めて、テストで得点できます。

平面図形なら、授業で補助線を見て納得するだけでは足りません。

自分で補助線を引けるか。
相似に気づけるか。
等積変形を使えるか。
角度や比の条件を拾えるか。

これが再現性です。

宿題を終わらせることより、類題で再現できることの方がはるかに大切です。

漢字と計算の基礎トレは削ってはいけない

宿題を絞るときに注意すべきことがあります。

それは、漢字や計算の基礎トレーニングを削らないことです。

SAPIXなら「基礎力トレーニング」。
四谷大塚なら「予習シリーズ 計算」「予習シリーズ 漢字とことば」。
日能研なら「計算と漢字」。
早稲田アカデミーでも、四谷大塚系教材や校舎指定教材を通じて、計算・漢字・基本事項の確認があります。

こうした基礎トレーニングは地味です。

親子ともに、つい軽く見がちです。

しかし、ここを削ると後で効いてきます。

計算が遅い。
計算ミスが多い。
漢字で落とす。
語句で落とす。
基本知識で落とす。

これらは、難問が解けないことよりも痛いです。

算数の応用問題を頑張っているのに、計算ミスで落とす。
国語の記述対策をしているのに、漢字で落とす。
理社の発展問題をやっているのに、基本用語が抜けている。

これは非常にもったいないです。

宿題を取捨選択するとき、まず削るべきは基礎ではありません。

削るべきなのは、今の子どもにとって重すぎる応用問題です。

漢字、計算、基本知識、授業内容の確認。

ここはできるだけ残すべきです。

基礎トレーニングも、ただ終わらせればよいわけではありません。

計算なら、正確性とスピードを見る。
漢字なら、翌週にも書けるかを見る。
語句なら、文章の中で意味が分かるかを見る。

ここでも再現性が大切です。

「昨日はできた」ではなく、「テストで出ても取れる」状態にする必要があります。

「終わったか」ではなく「得点できるか」を見る

宿題が終わらない家庭では、親が「終わったか」ばかり見ていることがあります。

宿題終わったの?
全部やったの?
丸つけしたの?
提出できるの?

もちろん、確認は必要です。

しかし、本当に見るべきなのは、終わったかどうかではありません。

得点できるかどうかです。

問題集のページが埋まっていても、自力で解けなければ意味がありません。
赤で直してあっても、次に解けなければ意味がありません。
解説を読んで分かった気になっても、類題で解けなければ意味がありません。

中学受験で成績を上げるには、宿題を提出することではなく、再現できることが必要です。

授業で扱った問題を、自分で解けるか。
同じ考え方の類題を解けるか。
テストで似た問題が出たときに取れるか。

ここまで見る必要があります。

たとえば、宿題を3時間かけて全部終わらせたとします。

しかし、翌週のテストで同じ型の問題を落とすなら、その3時間は得点に変わっていません。

逆に、宿題の全範囲は終わらなくても、標準問題を確実に解き直し、類題まで取れるようになったなら、その勉強は得点につながります。

宿題を全部終わらせるために、解き直しが消えるなら本末転倒です。

宿題が多すぎる家庭ほど、ページを埋めることに追われて、復習と解き直しが消えます。

しかし、成績を上げるのは、むしろその地味な復習と解き直しです。

親子喧嘩が増えているなら、宿題の回し方を見直す

宿題が終わらない家庭では、親子喧嘩が増えやすいです。

早くやりなさい。
まだ終わっていないの?
なんでこんなに時間がかかるの?
また間違えたの?
こんなペースで受験に間に合うの?

親は焦ります。

しかし、子どもからすると、宿題そのものより、親に責められる時間がつらくなります。

家に帰っても、宿題。
塾のない日も、宿題。
休みの日も、宿題。
そして、終わらないと親に怒られる。

これでは、家庭が休める場所ではなくなります。

親子喧嘩が増えているなら、宿題の量と難度を見直すべきです。

その子にとって、今本当に必要な宿題は何か。
難しすぎる問題に時間を使っていないか。
基礎トレーニングを後回しにしていないか。
解き直しの時間が残っているか。
睡眠時間を削っていないか。

ここを見る必要があります。

親子喧嘩が増えている場合の考え方については、中学受験で親子喧嘩が増えたら危険信号でも書いています。

宿題を全部やらせようとして家庭が壊れるなら、優先順位をつけるべきです。

家庭が荒れているときほど、勉強の質も落ちます。

怒られながら解く。
泣きながら解く。
眠いのに解く。
焦って解く。

これでは、類題で再現できるところまで到達しません。

宿題は、親子喧嘩の材料ではありません。

得点力を作るための材料です。

家庭教師や個別指導に見てもらうべきなのは、取捨選択である

宿題が終わらない家庭で家庭教師や個別指導を使うなら、単なる宿題管理だけで終わらせてはいけません。

「宿題を一緒にやる」
「分からない問題を教える」
「丸つけをする」

これだけでは弱いです。

本当に見てもらうべきなのは、宿題の取捨選択です。

どの問題をやるべきか。
どの問題は後回しでよいか。
どの問題は今は捨ててよいか。
どの単元を戻すべきか。
どの宿題が得点に直結するか。
どの宿題が今の子どもには重すぎるか。

ここを見てもらうべきです。

さらに言えば、家庭教師や個別指導では、類題の再現性まで確認すべきです。

授業で扱った問題が解けた。
その場では理解した。
では、次に似た問題を出したら解けるか。

ここを確認しないと、成績にはつながりません。

プロが見るべきなのは、単発の理解ではありません。

次に得点できるかです。

家庭教師をつけるべきか迷っている場合は、中学受験で家庭教師をつけるべきか|迷っている家庭が考えるべきことでも詳しく書いています。

家庭教師や個別指導は、単に問題を解説してもらうためだけのものではありません。

子どもの現在地に合わせて、宿題の優先順位を整理し、類題で再現できる状態まで持っていくために使うべきです。

まとめ:宿題を全部こなす家庭より、類題で再現できる家庭が強い

中学受験で宿題が終わらない家庭は、まず取捨選択を考えるべきです。

特に、SAPIX、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研などの大手塾では、宿題量が多くなりやすいです。

すべてを完璧にこなそうとすると、家庭が回らなくなることがあります。

大切なのは、あれもこれもやることではありません。

今の子どもに必要なものを絞ることです。

SAPIXの算数なら、最難関を狙わない限り、まずはA・B・Cレベルの問題や、基礎力トレーニング、デイリーサピックス、デイリーサポートの標準レベルを固める。

四谷大塚系なら、予習シリーズ、予習シリーズ 演習問題集、予習シリーズ 計算を軸に、偏差値50に届いていない段階では星2つ程度までを安定させる。

日能研なら、本科教室、栄冠への道、計算と漢字を中心に、授業内容と基礎の定着を優先する。

早稲田アカデミーでも、四谷大塚系教材や指定教材を、現在地に合わせて取捨選択する。

漢字や計算の基礎トレーニングは削らない。
難しすぎる問題に時間を使いすぎない。
宿題を終わらせることより、得点できるかを見る。

宿題を全部こなす家庭が強いのではありません。

必要な宿題を選び、復習し、類題で再現できる家庭が強いのです。

中学受験の宿題は、提出するためにあるのではありません。

テストで確実に得点するためにあります。

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