中学受験で家庭教師をつけるなら、早いに越したことはありません。
特に、塾の勉強についていけなくなってから慌てて探すよりも、ある程度早い段階で家庭教師や個別指導を入れた方が、学習全体を立て直しやすくなります。
私はこれまで、プロ家庭教師として何年も中学受験生を指導してきました。国語・社会・算数の学習管理、塾の宿題の取捨選択、模試の分析、過去問演習など、さまざまな家庭を見てきました。
詳しい指導歴については、
運営者プロフィール
にも書いています。
その経験からいうと、家庭教師をつける最大のメリットは、単に「分からない問題を教えてもらえること」ではありません。
本当の価値は、その子に合わせて、今やるべきことを絞り込めることです。
塾の宿題を全部やろうとして潰れている子。
国語の読解で何を直せばいいか分からない子。
算数で同じ単元を何度も間違える子。
理科・社会の暗記が雑なまま放置されている子。
模試を受けても、返却後に何も分析していない子。
こういう子にとって、家庭教師や個別指導はかなり有効です。
結論からいうと、最も望ましい開始時期は、小学5年生の夏から秋にかけてです。
もちろん、6年生からでも遅すぎるわけではありません。
ただし、6年生からだと、やるべきことが一気に増えます。
だからこそ、可能であれば5年生のうちから、算数・国語を中心に立て直しておくのが理想です。
家庭教師は早いに越したことはない
中学受験で家庭教師をつけるなら、基本的には早い方がよいです。
理由は、成績が大きく崩れてから立て直すよりも、崩れる前に修正した方が楽だからです。
たとえば、塾の宿題が毎週終わらない子がいます。
この場合、家庭では、
「とにかく全部やりなさい」
「なんで終わらないの」
「みんなやっているんだから頑張りなさい」
となりがちです。
しかし、実際には、宿題を全部やれば成績が上がるとは限りません。
大事なのは、その子にとって必要な問題を選び、できないところを集中的に直すことです。
この点については、
中学受験で宿題が終わらない家庭が見直すべきこと
でも詳しく書いています。
家庭教師が入ると、塾の宿題をただ消化するのではなく、
「この問題は必ずやる」
「これは今は飛ばしてよい」
「この単元はもう一度戻る」
「この問題は類題までやる」
という形で、宿題に優先順位をつけられます。
つまり、家庭教師の役割は、塾の勉強を邪魔することではありません。
むしろ、塾の宿題をより価値あるものに変えることです。
できないところを集中的に扱う。
解けるようにする。
類題を宿題にする。
次回確認する。
できていたら褒める。
この繰り返しで、子どもは少しずつ伸びます。
最も望ましいのは5年生の夏から秋
家庭教師をつける時期として最も望ましいのは、5年生の夏から秋にかけてです。
理由は、この時期になると、その子のクセがかなり見えてくるからです。
4年生の段階では、まだ中学受験の勉強に慣れていないだけという場合もあります。
塾のカリキュラムも、本格的な受験勉強の入口です。
しかし、5年生になると、学習内容が一気に重くなります。
算数では、割合、速さ、平面図形、比、場合の数など、差がつきやすい単元が増えます。
国語では、説明文・物語文の読み方に加えて、選択肢問題や記述問題の精度も求められます。
この時期になると、
「計算はできるが、文章題になると崩れる」
「図形だけ極端に弱い」
「国語の選択肢でいつも迷う」
「本文は読んでいるつもりだが、問題文を読めていない」
「宿題はやっているが、模試で再現できない」
というように、できているところとできていないところが明確になります。
国語については、
中学受験で国語が伸びない子は問題文を読めていない
や、
中学受験の国語が苦手な子は選択肢問題から始めるべき理由
も参考になります。
さらに、5年生の夏から秋であれば、模試も複数回受けているはずです。
模試の成績表を見ると、単なる偏差値だけでなく、正答率別にどの問題を落としているかが分かります。
正答率70%以上の問題を落としているのか。
50%以上の問題で取りこぼしているのか。
30%以下の難問に時間を使いすぎているのか。
国語で読解が弱いのか、語彙・漢字が弱いのか。
算数で計算ミスが多いのか、単元理解が抜けているのか。
こうした分析ができるようになります。
模試の見方については、
中学受験で模試が返却されたら親がするべきこと
でも詳しく書いています。
5年生の夏から秋に家庭教師を入れると、模試結果と塾の宿題状況を見ながら、かなり精密に学習計画を立てられます。
これが大きいです。
家庭教師の本当の価値は、教えることより計画と定着にある
家庭教師というと、多くの親御さんは「分からない問題を教えてもらう人」と考えます。
もちろん、それも重要です。
しかし、中学受験で家庭教師をつける本当の価値は、計画を立て、定着まで確認できることにあります。
子どもは、授業中に「分かった」と言います。
しかし、その場で分かったことと、次の日に自力で解けることは違います。
さらに、模試や入試で類題を解けることは、もっと違います。
だから、家庭教師の指導では、
教えて内容を理解する
宿題で定着させる
次の授業冒頭で確認する
できていたら褒める
できていなければもう一度戻る
このサイクルが重要です。
私はこの形で、何度も子どもを伸ばしてきました。
特に大事なのは、授業中に扱った問題と同じ問題だけで終わらせないことです。
授業で理解する。
その後、家庭教師が類題を宿題にする。
次回、その類題ができているか確認する。
ここまでやって初めて、学力になります。
塾の宿題も同じです。
塾の宿題をただ提出するだけでは、成績には直結しません。
できなかった問題を見つける。
解けるようにする。
類題で再現する。
この流れが必要です。
成績が伸びない家庭では、ここが抜けていることが多いです。
詳しくは、
中学受験で成績が伸びない5つの原因
や、
中学受験で成績が伸びなかった子に共通する特徴
でも書いています。
家庭教師をつける意味は、授業を増やすことではありません。
分かったことを、できることに変えること。
できるようになったことを、模試や入試で再現できるようにすること。
ここにあります。
6年生からでも遅くはないが、科目の優先順位が重要になる
6年生から家庭教師をつける場合でも、遅すぎるわけではありません。
ただし、時間が限られているため、科目と単元の優先順位がかなり重要になります。
5年生のうちから始めるなら、算数・国語を中心にじっくり立て直せます。
しかし、6年生になると、過去問演習も始まります。
志望校対策も必要になります。
塾の通常授業も重くなります。
模試も増えます。
その中で、すべてを同時に直すのは難しいです。
だから、6年生では、成績を上げやすい科目から手をつけることも重要です。
特に、理科・社会は、分野によっては短期間で伸ばしやすいです。
私は以前、6年生から社会を頼まれたことがあります。
その子は社会の偏差値が30台でしたが、指導を通じて偏差値55まで上がりました。
やったことは、特別な魔法ではありません。
まず、知識が抜けている分野を確認する。
歴史なのか、地理なのか、公民なのかを分ける。
授業で内容を理解する。
宿題で覚える。
次回確認する。
できていたら褒める。
抜けていたらもう一度やる。
この繰り返しです。
社会は、やり方を間違えなければ比較的伸ばしやすい科目です。
理科も同じです。
ただし、理科の場合は、単純な暗記だけではありません。
植物・動物・人体・天体の一部など、暗記中心で立て直せる分野もあります。
一方で、電気、光、ばね、てこ、溶解度、水溶液、気体など、理解や計算が必要な分野もあります。
理科が苦手といっても、
「暗記系が弱い」のか、
「計算系が弱い」のか、
「特定分野だけ穴がある」のか、
「問題文の読み取りで崩れている」のか、
によって対策は変わります。
これを分析して、実際に成績を上げていくには、やはり時間が必要です。
本気で理科を立て直すなら、できれば1年は見たいところです。
6年生からでも伸びます。
ただし、6年生から始めるなら、伸ばすべき科目・単元をかなり絞る必要があります。
過去問演習を効率化するためにも家庭教師は有効
6年生になると、過去問演習が始まります。
ここで家庭教師がいるかどうかは、かなり大きいです。
過去問は、ただ解けばよいわけではありません。
何年度から解くか。
どの順番で解くか。
時間配分をどうするか。
合格者平均点との差を見るか。
科目ごとの目標点をどう設定するか。
解き直しをどこまでやるか。
捨て問をどう判断するか。
次の1週間の学習にどう反映するか。
ここまで考える必要があります。
過去問を解いて、点数だけ見て終わる家庭は多いです。
しかし、それではもったいないです。
過去問は、その学校に向けた最高の教材です。
だからこそ、過去問演習では、
「何が取れていれば合格に近づくのか」
「どの問題は落としてもよいのか」
「どの単元を戻るべきか」
「国語の記述はどこを直すべきか」
「算数は大問1・2を確実に取れているか」
「理社は知識不足なのか、問題処理が遅いのか」
を見なければいけません。
ここを家庭だけでやるのは、かなり大変です。
だから、お金が許すなら、6年生の過去問期こそ家庭教師や個別指導をつける価値があります。
正直に言えば、合否が変わることがあります。
もちろん、家庭教師をつければ必ず合格するわけではありません。
しかし、過去問演習、弱点補強、塾の宿題の取捨選択、模試の分析を外部のプロが見れば、学習効率はかなり上がります。
家庭だけで管理しきれない場合は、
中学受験で家庭教師をつけるべきか迷ったときの判断基準
もあわせて読んでください。
また、家庭教師をつけても成績が上がらないケースについては、
家庭教師をつけても成績が上がらない家庭の特徴
で詳しく書いています。
まとめ:家庭教師は5年生の夏から秋が理想、6年生からでも使い方次第で合否は変わる
中学受験で家庭教師をつけるなら、早いに越したことはありません。
最も望ましいのは、5年生の夏から秋にかけてです。
この時期になると、塾の勉強も本格化し、その子のクセが見えてきます。
算数のどこで崩れるのか。
国語のどの問題形式が苦手なのか。
宿題をやり切れているのか。
模試でどの正答率帯を落としているのか。
こうしたことが分かるようになります。
そこに家庭教師や個別指導を入れれば、かなり効率よく学習を整理できます。
家庭教師の価値は、分からない問題を教えることだけではありません。
計画を立てる。
塾の宿題を価値あるものにする。
できないところを集中的に扱う。
類題を宿題にする。
次回確認する。
できていたら褒める。
できていなければ戻る。
この繰り返しで、子どもは伸びます。
6年生からでも遅すぎるわけではありません。
ただし、その場合は、科目と単元の優先順位が重要です。
理科・社会は、分野を絞れば成績を上げやすい場合があります。
過去問演習も、家庭教師が入ることでかなり効率化できます。
中学受験では、家庭教師をつけるかどうかで、学習の密度が変わります。
お金が許すなら、特に5年生の夏から秋、遅くとも6年生の過去問期には、家庭教師や個別指導を検討する価値は十分にあります。
合否が変わることは、実際にあります。

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