中学受験で、間違えた答えをすぐ消してしまう子がいます。
丸つけをする。
間違っている。
すぐに消す。
正しい答えを書き直す。
一見すると、きれいに直しているように見えます。
しかし、これはかなり危険です。
なぜなら、間違えたときの思考過程が消えてしまうからです。
中学受験で大事なのは、ただ正しい答えを書くことではありません。
なぜ間違えたのか。
どこで読み違えたのか。
どの計算で崩れたのか。
どの選択肢を選んだのか。
どの漢字をどう間違えたのか。
これを見える形で残すことです。
間違いは、消してはいけません。
間違いは、次に点を取るための材料です。
消しゴムを使いすぎてはいけない
中学受験では、消しゴムを使いすぎない方がよいです。
もちろん、答案を清書するときや、書き間違いを直すときに消しゴムを使うこと自体は悪くありません。
しかし、問題演習や宿題の段階で、間違えた答えをすぐ消してしまうのはよくありません。
特に危ないのは、次のような子です。
間違えた答えを全部消す。
計算過程も消す。
自分が選んだ選択肢も消す。
赤で直す前に、最初の答案をなかったことにする。
これでは、なぜ間違えたのかわかりません。
親も見られません。
塾の先生も見られません。
家庭教師も見られません。
本人も、あとから見返せません。
間違いを消してしまうと、ノートはきれいになります。
しかし、学力は伸びにくくなります。
中学受験で伸びる子は、間違いを処理しています。
逆に、伸びにくい子は、間違いを隠すように消してしまいます。
これはかなり大きな差です。
丸つけについては、
でも書いていますが、丸つけは単なる正誤確認ではありません。
丸つけは、間違いを発見する作業です。
だから、間違えた跡は残した方がよいです。
計算過程と選んだ答えは必ず残す
特に残すべきなのは、計算過程と自分が選んだ答えです。
算数で計算ミスをしたとします。
そのとき、途中式を全部消してしまう子がいます。
これは非常にもったいないです。
どこでミスをしたのか。
繰り上がりを間違えたのか。
小数点をずらしたのか。
分数の約分で崩れたのか。
問題文の条件を読み違えたのか。
式の立て方そのものが違ったのか。
途中式が残っていれば、原因が見えます。
しかし、途中式を消してしまうと、全部わからなくなります。
「ただ間違えた」という事実だけが残ります。
これでは次に活かせません。
国語の選択肢問題でも同じです。
自分がどの選択肢を選んだのかを残すべきです。
なぜその選択肢を選んだのか。
どこに引っかかったのか。
本文のどの部分を根拠にしたのか。
正解と自分の選択肢の違いは何か。
これを見なければ、国語は伸びません。
国語が伸びない子については、
でも詳しく書いています。
国語では、間違えた選択肢にこそ、その子の読み方の癖が出ます。
だから、選んだ答えを消してはいけません。
間違えた答えを残す。
その上で、正しい答えを赤で入れる。
これが大事です。
必ず赤入れをする
間違えた問題は、必ず赤入れをするべきです。
ただ答えを書き直すだけでは足りません。
赤で、
正しい答え。
正しい式。
正しい漢字。
正しい用語。
なぜ間違えたか。
これを残します。
長く書く必要はありません。
たとえば、
「計算ミス」
「問題文読み違い」
「漢字ミス」
「知識なし」
「選択肢の根拠なし」
「単位ミス」
この程度で十分です。
大事なのは、間違いを分類することです。
間違いには種類があります。
わかっていなかった間違い。
知っていたのに書けなかった間違い。
読めていなかった間違い。
計算で崩れた間違い。
時間がなくて雑になった間違い。
これを全部同じ「間違い」にしてはいけません。
赤入れをすることで、間違いの種類が見えるようになります。
模試が返ってきたときも同じです。
偏差値だけを見ても、次に何をするべきかはわかりません。
どの問題を、なぜ落としたのか。
そこを見る必要があります。
模試の見直しについては、
でも書いています。
赤入れは、反省のためではありません。
次に点を取るためにやるものです。
だから、雑にやってはいけません。
思考過程を消すと、成績は伸びにくい
中学受験では、思考過程を見える形で残すことが大事です。
これは本当に大事です。
子どもは、間違えると消したがります。
間違いを見られたくない。
ノートをきれいにしたい。
親に怒られたくない。
自分が間違えたことをなかったことにしたい。
気持ちはわかります。
しかし、間違いを消すと、伸びる材料まで消えてしまいます。
勉強で一番価値があるのは、実は間違えた問題です。
正解した問題は、すでにできています。
もちろん復習は必要ですが、伸びしろが大きいのは間違えた問題です。
間違えた問題には、その子の弱点が出ています。
計算の癖。
読み方の癖。
知識の穴。
焦ったときの雑さ。
問題文の条件の拾い方。
選択肢の見方。
これらは、間違いを見ないとわかりません。
だから、間違いを消してはいけません。
宿題についても、ただ終わらせるだけでは意味がありません。宿題をどう成績につなげるかについては、
でも書いています。
宿題も、模試も、過去問も、間違いを残してこそ意味があります。
きれいなノートを作ることが目的ではありません。
成績を上げることが目的です。
そのためには、思考過程を残すべきです。
親は「きれいなノート」より「直し方」を見る
親は、子どものノートを見るときに、きれいさだけを見ない方がよいです。
ノートがきれいでも、成績が伸びるとは限りません。
逆に、多少ごちゃごちゃしていても、間違いが残っていて、赤入れがされていて、直し方が見えるノートは価値があります。
見るべきなのは、次の点です。
間違えた答えが残っているか。
途中式が残っているか。
選んだ選択肢が残っているか。
赤で正しい答えが入っているか。
なぜ間違えたかが少しでも書いてあるか。
これです。
ノートをきれいに清書することに時間を使いすぎる必要はありません。
中学受験では、見た目のきれいさより、復習できる形になっているかが大事です。
特に、字が汚い子や答案が雑な子の場合、消して書き直すことで、さらに原因が見えなくなることがあります。字の汚さについては、
も参考にしてください。
親が言うべきことは、
「きれいに書きなさい」
だけではありません。
むしろ、
間違えた答えを消さないで
途中式は残して
自分が選んだ答えは残して
赤で直して
なぜ間違えたか一言だけ書いて
です。
これを徹底した方がよいです。
中学受験では、思考過程を消してはいけません。
間違えた跡を残す。
赤入れをする。
原因を見る。
次に同じミスをしないようにする。
この繰り返しで成績は伸びます。
消しゴムで間違いを消すのではなく、赤入れで間違いを教材にする。
これが、間違えた問題をすぐ消してしまう子への一番大事な対処法です。

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