中学受験で字が汚い子はどうすればよいか

中学受験で、子どもの字が汚い。

これは多くの家庭で出てくる悩みです。

ただ、最初に言っておきたいのは、字が汚い子の字が完璧にきれいになることは、あまり期待しすぎない方がよいということです。

私もプロ家庭教師として多くの中学受験生を見てきましたが、字が汚い子の字が、急に美しい字に変わる例はほとんど見たことがありません。

もちろん、多少は改善します。
しかし、字そのものの癖は簡単には直りません。

だから、中学受験では「字を美しくする」ことを目標にしすぎない方がよいです。

大事なのは、点数を落とさない字にすることです。

特に注意すべきなのは、漢字、理科・社会の用語、算数の答えです。

ここで読めない字を書くと、本当に点を落とします。

字が汚いこと自体は大きな問題ではない

字が汚いこと自体は、必ずしも大きな問題ではありません。

中学受験で求められているのは、美しい字を書くことではありません。

採点者が読める字を書くことです。

だから、字が下手でも、読めるなら問題ありません。

たとえば、形は整っていない。
大人から見ると、あまりきれいではない。
でも、何の字を書いているかはわかる。

この場合は、そこまで気にしなくてよいです。

親が毎回、

「字が汚い」
「もっと丁寧に書きなさい」
「なんでこんな字なの」

と言い続けると、子どもは勉強そのものが嫌になります。

字を直すことが目的になってしまい、肝心の内容理解や演習が進まなくなることもあります。

中学受験では、細かいことを全部注意しすぎると、親子喧嘩も増えます。親子喧嘩が続く家庭については、
中学受験で親子喧嘩が増える家庭に足りないもの
でも書いています。

字が下手なだけなら、必要以上に怒らなくてよいです。

問題は、字が下手なことではありません。

読めない字を書くことです。

「下手な字」と「雑な字」は分けて考える

字が汚い子を見るときは、下手な字雑な字を分けて考えるべきです。

この区別はかなり大事です。

下手な字とは、形はあまり整っていないけれど、何の字かはわかる字です。

これは大きな問題ではありません。

一方で、雑な字とは、画数がわからない字、別の字に見える字、採点者が読めない字です。

これは危険です。

たとえば、漢字の線が一本足りないように見える。
へんとつくりがつぶれている。
「未」と「末」の区別がつかない。
「日」と「目」が曖昧になる。
理科や社会の用語が別の語に見える。

こういう字は、単に下手なのではなく、雑です。

そして、中学受験では雑な字は点数を落とします。

親が注意すべきなのは、すべての字をきれいにすることではありません。

画数がわからない字、別の字に見える字、読めない字だけを注意することです。

字の問題は、丸つけのときにも確認できます。正解・不正解だけでなく、答案として読めるかを見ることが大切です。詳しくは、
中学受験で親が丸つけをするべきか
でも書いています。

「下手だけど読める字」は許す。
「雑で読めない字」は直す。

この区別が必要です。

漢字と理社用語では大きく損をする

字が雑な子が特に損をするのは、漢字と理科・社会の用語です。

ここは、本当に点を落としやすいです。

国語の漢字問題では、字形が見られます。

答えが頭の中で合っていても、答案上で漢字が崩れていればバツになることがあります。

理科・社会の用語問題でも同じです。

たとえば、社会で人物名や地名を書く。
理科で実験器具や現象名を書く。
漢字指定の問題に答える。
記述問題の中で用語を書く。

こういう場面で、字が雑だと形式的に失点します。

これはかなりもったいないです。

知識はある。
答えもわかっている。
でも、字が読めない。
だから点が入らない。

中学受験では、こういう失点は避けたいです。

特に6年生以降は、模試や過去問演習で、実際の答案をよく見るべきです。

模試が返ってきたときに、単に偏差値や正答率を見るだけでは足りません。
「この字で点が入るか」も見る必要があります。

模試後の見直しについては、
中学受験で模試が返却されたら親がするべきこと
でも詳しく書いています。

漢字と理社用語で字が雑なら、そこは厳しく見てよいです。

逆に、それ以外の場面で多少字が下手でも、読めるなら大きく問題にしなくてよいです。

完璧に直すのではなく、失点する場所だけ意識する

字が汚い子の字を、全科目・全場面できれいに直そうとすると、かなり難しいです。

正直、完璧に直すのは無理です。

だから、現実的には、失点しやすい場所だけ意識させるのがよいです。

具体的には、次の3つです。

算数の答えだけの問題。
国語の漢字。
理科・社会の用語。

ここだけは、読める字で書く。

これを徹底するだけでも、かなり違います。

算数では、途中式が多少雑でも、本人が見直せるならまだよい場合があります。

しかし、最終的な答えの数字が読めないのは危険です。

「6」なのか「0」なのか。
「1」なのか「7」なのか。
小数点があるのかないのか。
単位が書いてあるのかないのか。

ここが曖昧だと、正解できる問題でも落とします。

国語では漢字。
理科・社会では用語。

この3つだけは、普段から意識させるべきです。

筆記具によって字の読みやすさが変わる子もいます。鉛筆だと字がつぶれる子は、シャーペンの方が読みやすくなることがあります。詳しくは、
中学受験では鉛筆とシャーペンのどちらがよいか
でも書いています。

全部をきれいにしようとしない。

失点する場所だけ、確実に読める字にする。

これが現実的です。

読めない字で失点したときは叱ってもよい

私は、家庭教師として指導するとき、字については基本的にそこまでうるさく言いません。

字が下手なだけなら、あまり強く注意しません。

しかし、漢字、理社用語、算数の答えで読めない字を書いて失点した場合は、厳しく指導します。

それは、字が美しくないからではありません。

取れる点を落としているからです。

中学受験では、わからない問題を落とすのは仕方ありません。

しかし、わかっていた問題を、字が読めないせいで落とすのは非常にもったいないです。

模試でその失点が出たら、叱ってもよいです。

ただし、叱り方には注意が必要です。

「字が汚いからダメ」
「性格が雑」
「ちゃんとしなさい」

ではなく、

この漢字は画数がわからないからバツになる
この用語は別の字に見えるから点が入らない
この算数の答えは数字が読めないから危ない

というように、具体的に指摘します。

叱る基準を固定することについては、
中学受験で子どもを怒るときに親が決めておくべきルール
でも書いています。

字についても同じです。

全部の字を怒るのではありません。

点数に直結するところだけ厳しく見る。

それで十分です。

字が汚い子に対しては、完璧な美文字を求めない方がよいです。

目標は、美しい字ではありません。

採点者が読める字です。

下手でも読めるならよい。
雑で読めないなら直す。

漢字、理社用語、算数の答えだけは意識する。

この方針で十分です。

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