中学受験の国語が伸びない子には、共通する特徴があります。
文章を読んでいないわけではありません。
問題を解いていないわけでもありません。
宿題もやっている。
テスト直しも一応している。
塾の解説も聞いている。
それなのに、国語の成績が伸びない。
こういう子は少なくありません。
では、なぜ伸びないのか。
一言でいえば、問題とコミュニケーションができていないからです。
国語の問題は、ただ文章を読んで、なんとなく答えを書く科目ではありません。
問題文が何を聞いているのかを正確に受け取り、それに対して答える科目です。
ところが、国語が伸びない子は、ここが雑です。
何を問われているのかを見ない。
「どういうことか」と「なぜか」を同じように解く。
本文からそれっぽいところを抜く。
選択肢を雰囲気で選ぶ。
記述では聞かれていないことを書く。
理由を聞かれているのに、内容説明を書いてしまう。
内容説明を求められているのに、理由を書いてしまう。
これでは点数は安定しません。
国語はセンスの科目だと思われがちです。
もちろん、読書量や語彙力、文章への慣れは重要です。
しかし、中学受験の国語で点数を取るためには、それだけでは足りません。
大切なのは、問題と正しく会話することです。
- 国語が伸びない子は、問題文を読んでいない
- 「どういうことか」と「なぜか」は、まったく違う
- 国語が苦手な子は、答えを探しているだけで、問いに答えていない
- 頭を使わずに抜き出しても意味がない
- 選択肢問題も、雰囲気で選ぶと伸びない
- 記述問題は、聞かれていることに答えなければ点にならない
- 「どういうことか」はイコールを作る
- 「なぜか」は因果関係をつなぐ
- 「気持ち」を聞かれたら、出来事だけを書いてはいけない
- 「本文に書いてある」は正解の理由にならない
- 国語が伸びない子は、解いた後の説明ができない
- 国語は「読めば分かる」科目ではない
- 国語の成績を伸ばすには、問題との会話を習慣にする
- 国語が伸びない子にまずやらせるべきこと
- 家庭でできる国語の見方
- 国語が伸びない原因を「センス」で片づけてはいけない
- まとめ:国語は、問題とコミュニケーションできる子が伸びる
国語が伸びない子は、問題文を読んでいない
国語が伸びない子に多いのは、本文を読めていない以前に、問題文を読めていないケースです。
これはかなり多いです。
「本文の内容が分かりません」
「国語が苦手です」
「読解力がありません」
そう言う子の答案を見ていると、そもそも問題文の指示を正確に受け取っていないことがあります。
たとえば、問題文にこう書いてあるとします。
「傍線部はどういうことですか。本文中の言葉を使って説明しなさい。」
この問題で聞かれているのは、「どういうことか」です。
つまり、傍線部の内容を分かりやすく言い換える問題です。
ところが、国語が苦手な子は、本文中の近くにある言葉をなんとなく拾って書いてしまいます。
傍線部と答えがイコールになっているか。
傍線部を別の言葉で説明できているか。
指示語や比喩を具体化できているか。
抽象的な表現を本文に即して言い換えられているか。
ここを確認していません。
別の問題では、こう聞かれます。
「傍線部のように考えたのはなぜですか。」
これは「なぜか」です。
つまり、理由を聞いています。
この場合、答えは傍線部の内容とイコールでは足りません。
傍線部に至る原因や背景を説明しなければなりません。
ところが、国語が苦手な子は、ここでも傍線部の内容をそのまま言い換えようとします。
あるいは、本文からそれっぽい一文を抜いて終わります。
それでは、問いに答えていません。
国語で点が取れない子は、本文が読めないだけではありません。
問題文が何を要求しているのかを読めていないのです。
「どういうことか」と「なぜか」は、まったく違う
中学受験の国語では、「どういうことか」と「なぜか」を分けて考える必要があります。
この二つを同じように解いている子は、国語が伸びません。
まず、「どういうことか」。
これは、基本的には内容説明です。
傍線部の意味を説明する。
指示語の中身を明らかにする。
比喩を具体化する。
抽象的な表現を本文に即して言い換える。
筆者や登場人物の言葉の意味を、分かりやすく説明する。
つまり、「どういうことか」は、傍線部と答えがイコールになる必要があります。
傍線部 = 答え
この関係になっていなければなりません。
たとえば、本文中に「太郎は心の中に重い石を抱えたようだった」という表現があったとします。
「これはどういうことですか」と聞かれたら、答えるべきなのは、「本当に石を抱えていた」ということではありません。
太郎が強い不安や後悔を感じ、気持ちが重くなっていた、というように、比喩を具体化する必要があります。
このとき、答えは傍線部の言い換えです。
「心の中に重い石を抱えたようだった」
=「不安や後悔で気持ちが重くなっていた」
こういう関係です。
一方で、「なぜか」は理由説明です。
傍線部に至った原因を説明する。
その人物がそう考えた理由を説明する。
筆者がそのように述べる根拠を説明する。
出来事と感情の因果関係をつなぐ。
つまり、「なぜか」は、答えと傍線部がイコールになるだけでは不十分です。
理由 → 結果
この関係が必要です。
たとえば、「太郎は心の中に重い石を抱えたようだったのはなぜですか」と聞かれたら、答えは「不安や後悔で気持ちが重くなっていたから」だけでは足りないことがあります。
それは、傍線部の説明に近いからです。
理由を問われているなら、
「友人にひどいことを言ってしまい、そのことを後悔していたから」
「母との約束を破ってしまい、罪悪感を抱いていたから」
というように、気持ちが重くなった原因を書く必要があります。
「どういうことか」はイコール。
「なぜか」は因果関係。
この違いを分けられない子は、国語で安定して点を取れません。
国語が苦手な子は、答えを探しているだけで、問いに答えていない
国語が苦手な子は、よく「答えは本文の中にある」と言われます。
これは半分正しいです。
中学受験の国語では、本文を根拠にして答える必要があります。
自分の感想を書く科目ではありません。
本文から離れて自由に考えてはいけません。
しかし、「答えは本文の中にある」という言葉を雑に理解すると危険です。
本文の中にある言葉を、適当に抜けばよいわけではありません。
国語が伸びない子は、本文中からそれっぽい言葉を探します。
傍線部の近くにあるから。
同じ言葉があるから。
なんとなく大事そうだから。
塾で「近くを見ろ」と言われたから。
選択肢に本文と同じ表現があるから。
こういう理由で答えを選びます。
しかし、それは問題とコミュニケーションをしていません。
大切なのは、本文のどこに書いてあるかだけではありません。
それが、問いに対する答えになっているかです。
「どういうことか」と聞かれているなら、傍線部の言い換えになっているか。
「なぜか」と聞かれているなら、理由になっているか。
「どのような気持ちか」と聞かれているなら、感情が答えになっているか。
「何を対比しているか」と聞かれているなら、対比関係が答えになっているか。
「筆者の考えを説明しなさい」と聞かれているなら、筆者の主張になっているか。
ここを見なければなりません。
国語は、本文の言葉を拾うゲームではありません。
問題の要求に対して、本文を根拠に答える科目です。
頭を使わずに抜き出しても意味がない
国語が苦手な子に多いのが、「抜き出し依存」です。
本文の近くから抜く。
同じ言葉があるところから抜く。
傍線部の前後から抜く。
長さが合いそうな部分を抜く。
なんとなく重要そうな一文を抜く。
もちろん、抜き出し問題では本文から抜く必要があります。
しかし、抜き出し問題であっても、頭を使わずに抜いてよいわけではありません。
「何を抜くべきか」を考える必要があります。
たとえば、「それは何を指していますか」と聞かれているなら、指示語の中身を探します。
「筆者が最も言いたいことを抜き出しなさい」と聞かれているなら、主張を探します。
「理由を表す部分を抜き出しなさい」と聞かれているなら、原因や根拠を探します。
「対照的な内容を抜き出しなさい」と聞かれているなら、対比関係を探します。
同じ抜き出しでも、探すものは問題によって違います。
ここを考えずに、ただ本文を眺めて「それっぽいところ」を抜いている子は伸びません。
私が見てきた中でも、国語が伸びない子ほど、答えの選び方が雑です。
「なぜここを選んだの?」と聞くと、答えられない。
「近くにあったから」
「なんとなく合っていると思った」
「先生がここに線を引いていた」
「大事そうだった」
「本文に同じ言葉があった」
こういう答えが返ってきます。
これでは国語は伸びません。
正解している場合でも危ないです。
たまたま当たっただけだからです。
国語では、正解した問題こそ確認すべきです。
なぜこれを選んだのか。
問いに対して答えになっているのか。
本文のどこが根拠なのか。
他の選択肢はなぜ違うのか。
記述なら、必要な要素が入っているのか。
ここまで説明できなければ、本当に解けたとはいえません。
選択肢問題も、雰囲気で選ぶと伸びない
国語の選択肢問題は、なんとなく選んでも当たることがあります。
しかし、それが危険です。
たまたま当たるから、本人も親も勘違いします。
「意外とできている」
「今回は悪くなかった」
「国語は波があるだけ」
そう思ってしまう。
しかし、選択肢を雰囲気で選んでいる子は、次のテストで簡単に崩れます。
国語の選択肢問題で大切なのは、選ぶ理由です。
なぜこの選択肢が正しいのか。
本文のどこに根拠があるのか。
他の選択肢はどこが違うのか。
言いすぎなのか。
本文に書いていないのか。
因果関係が逆なのか。
主語が違うのか。
気持ちの方向が違うのか。
部分的には正しいが、問いへの答えになっていないのか。
ここを確認しなければなりません。
国語が伸びない子は、選択肢を最後まで読んでいないこともあります。
前半だけ見て、「これっぽい」と選ぶ。
本文に同じ言葉が出てきたから選ぶ。
強い表現に引っ張られる。
聞かれていることと違うのに、本文に合っているから選ぶ。
これでは安定しません。
選択肢問題は、正しいものを選ぶだけではありません。
間違っているものを消す力も必要です。
そして、間違っている選択肢には、必ず理由があります。
本文と違う。
問いに答えていない。
因果関係が違う。
程度が強すぎる。
主語がずれている。
時期がずれている。
感情がずれている。
本文にないことを言っている。
このように、選択肢と本文を照合する必要があります。
国語は感覚で選ぶ科目ではありません。
本文と問いと選択肢を照合する科目です。
記述問題は、聞かれていることに答えなければ点にならない
国語の記述が苦手な子は多いです。
しかし、記述が苦手な子の答案を見ると、文章が下手という以前に、聞かれていることに答えていないことがよくあります。
「どういうことか」と聞かれているのに、理由を書いている。
「なぜか」と聞かれているのに、気持ちを書いている。
「どのような気持ちか」と聞かれているのに、出来事だけを書いている。
「筆者の考え」を聞かれているのに、自分の感想を書いている。
「本文中の言葉を使って」とあるのに、本文から離れた表現で書いている。
これでは点になりません。
記述問題でまずやるべきことは、立派な文章を書くことではありません。
問いに答えることです。
何を聞かれているのか。
答えの中心は何か。
必要な要素はいくつあるか。
本文のどこを根拠にするか。
語尾はどうするか。
ここを決めてから書く必要があります。
特に大切なのは語尾です。
「どういうことか」なら、「〜ということ」。
「なぜか」なら、「〜から」。
「どのような気持ちか」なら、「〜という気持ち」。
「どのような人物か」なら、「〜な人物」。
語尾が合っていない答案は、問いに答えていない可能性が高いです。
記述問題では、語尾を見るだけでも、その子が問題と会話できているか分かります。
理由を聞かれているのに「〜ということ」で終わっている。
内容説明を聞かれているのに「〜から」で終わっている。
気持ちを聞かれているのに出来事で終わっている。
こういう答案は、問題文を読んでいるようで読んでいません。
「どういうことか」はイコールを作る
ここからは、解き方を分けて整理します。
まず、「どういうことか」。
これは内容説明です。
基本は、傍線部と答えがイコールになるようにすることです。
傍線部に指示語があれば、その中身を明らかにする。
比喩があれば、具体的な意味に直す。
抽象語があれば、本文中の具体例に戻す。
省略されている主語や目的語があれば補う。
登場人物の言動であれば、その意味を文脈に即して説明する。
つまり、傍線部を読んだ人が「これは何を言っているのか」と分かるようにするのが、「どういうことか」です。
ここで必要なのは、理由ではありません。
まずは意味の説明です。
たとえば、傍線部に「そのこと」とあれば、「そのこと」が何を指すのかを本文から探します。
傍線部に「まるで別の世界に来たようだった」とあれば、それが具体的にどういう状態なのかを説明します。
傍線部に「心がほどけた」とあれば、それがどういう気持ちの変化なのかを説明します。
そして最後に確認します。
傍線部 = 自分の答え
この関係になっているか。
なっていなければ、その答案はずれています。
「どういうことか」で点が取れない子は、このイコール確認をしていません。
なんとなく本文から言葉を拾って終わり。
近くの文を書いて終わり。
大事そうな言葉を入れて終わり。
それでは甘いです。
「この答えは傍線部の言い換えになっているか」
これを必ず確認する必要があります。
「なぜか」は因果関係をつなぐ
次に、「なぜか」。
これは理由説明です。
「なぜか」で大切なのは、因果関係です。
理由 → 傍線部
この関係がつながっていなければなりません。
ただ本文中の近くの言葉を拾うだけでは足りません。
その言葉が、傍線部の原因や理由になっているかを確認する必要があります。
たとえば、傍線部で「花子は黙ってうなずいた」とします。
「どういうことか」と聞かれたら、花子が言葉には出さずに相手の考えを受け入れた、というような内容説明になります。
しかし、「なぜ黙ってうなずいたのですか」と聞かれたら、答えるべきなのは、その行動の理由です。
相手の気持ちを理解したから。
自分にも思い当たることがあったから。
反論したかったが、相手を傷つけたくなかったから。
言葉にすると泣いてしまいそうだったから。
このように、行動や感情に至った理由を本文から探す必要があります。
「なぜか」の答えは、語尾が「〜から」になることが多いです。
ただし、語尾だけ「〜から」にすればよいわけではありません。
中身が本当に理由になっているかが重要です。
国語が苦手な子は、ここが弱いです。
理由になっていないのに「〜から」と書く。
傍線部の言い換えに「〜から」をつける。
本文中の近くの文を抜いて「〜から」で終わる。
これでは点になりにくいです。
「その理由なら、傍線部の状態になるのか」
この確認が必要です。
因果関係がつながっていれば、答えとして強い。
つながっていなければ、本文に書いてあっても答えになりません。
「気持ち」を聞かれたら、出来事だけを書いてはいけない
物語文でよくあるのが、気持ちを聞く問題です。
「このときの太郎の気持ちを説明しなさい」
「花子はどのような思いだったと考えられますか」
こういう問題で、国語が苦手な子は出来事だけを書きがちです。
「友達に謝られた」
「母に声をかけられた」
「試合に負けた」
「先生にほめられた」
しかし、それは気持ちではありません。
出来事です。
気持ちを聞かれているなら、感情を答えなければなりません。
うれしい。
悔しい。
恥ずかしい。
不安。
申し訳ない。
ほっとした。
誇らしい。
さびしい。
腹立たしい。
後悔している。
ただし、感情語だけを書けばよいわけでもありません。
なぜその気持ちになったのか。
どの出来事を受けてその気持ちになったのか。
その人物らしさと合っているか。
直前直後の言動と矛盾しないか。
ここまで見ます。
気持ちの問題では、出来事と感情をつなぐ必要があります。
出来事 → 気持ち
この関係です。
たとえば、「友達が自分の失敗を責めずに笑って受け入れてくれた」のであれば、「安心した」「ありがたく感じた」「申し訳なさと同時に救われた気持ちになった」などが考えられます。
「試合に負けた」だけなら、悔しいかもしれません。
しかし、その試合が自分のミスで負けたのか、全力を尽くして負けたのか、相手の強さを認めたのかで、気持ちは変わります。
国語が伸びない子は、ここを雑にします。
物語文では、出来事だけでなく、人物の気持ちの変化を追う必要があります。
「本文に書いてある」は正解の理由にならない
国語が苦手な子に「なぜその答えにしたの?」と聞くと、よくこう言います。
「本文に書いてあったから」
これは一見もっともらしいです。
しかし、これだけでは不十分です。
本文に書いてあることでも、問いの答えになっていない場合があります。
国語の問題で必要なのは、
本文に書いてあること
かつ
問いに答えていること
です。
この二つが必要です。
本文に書いてあるだけでは足りません。
問いに答えているだけでも、本文から離れていたらダメです。
本文根拠と問いへの応答。
この両方がそろって、初めて正解になります。
国語が伸びない子は、この区別が弱いです。
本文にある言葉を選べば正解だと思っている。
本文に似た表現がある選択肢を選ぶ。
本文の近くにある部分を抜く。
しかし、それが問いに対する答えになっているかは見ていない。
だから点数が安定しません。
「本文に書いてあるから」ではなく、
「この問いは理由を聞いている。本文のこの部分が、傍線部の理由になっている。だからこれを答える」
ここまで言える必要があります。
国語が伸びない子は、解いた後の説明ができない
国語の力を見るとき、私はよく「なぜそれを選んだのか」を確認します。
この質問をすると、その子の国語の状態がかなり見えます。
伸びる子は、たとえ答えが間違っていても、自分なりの理由を説明できます。
「ここにこう書いてあるから」
「傍線部の前でこういう出来事があったから」
「この選択肢は気持ちの方向が合っていると思ったから」
「こっちの選択肢は言いすぎだと思ったから」
このように、自分の思考を説明できます。
一方で、伸びにくい子は説明ができません。
「なんとなく」
「これっぽいと思った」
「近くにあったから」
「先生が言っていた気がする」
「前にも似た問題でこうだったから」
こうなると危険です。
国語は、根拠を説明できるようになって初めて伸びます。
もちろん、小学生ですから最初から完璧に説明できる必要はありません。
しかし、少なくとも「なぜその答えにしたのか」を考える習慣は必要です。
頭を使わずに問題を解いても、国語は伸びません。
答え合わせをして、正解か不正解かを見るだけでは足りません。
なぜ正解なのか。
なぜ間違いなのか。
どこを見ればよかったのか。
問いのどの言葉に注目すべきだったのか。
次に同じ種類の問題が出たら、どう考えるのか。
ここまでやる必要があります。
国語は「読めば分かる」科目ではない
国語が苦手な子に対して、親がよく言う言葉があります。
「ちゃんと読めば分かるでしょ」
しかし、これはあまり役に立ちません。
本人は本人なりに読んでいます。
それでも分からないのです。
問題は、「ちゃんと読む」とは何かが分かっていないことです。
何に注目して読むのか。
傍線部の前後をどう見るのか。
指示語をどう処理するのか。
接続語をどう見るのか。
人物の気持ちの変化をどう追うのか。
筆者の主張をどうつかむのか。
問題文の要求をどう分類するのか。
ここが分かっていない子に、「ちゃんと読みなさい」と言っても変わりません。
国語は、ただ読む科目ではありません。
問いに合わせて読む科目です。
「どういうことか」なら、言い換える。
「なぜか」なら、理由を探す。
「気持ち」なら、出来事と感情をつなぐ。
「主張」なら、筆者が一番言いたいことを探す。
「抜き出し」なら、条件に合う部分を探す。
「選択肢」なら、本文と照合してずれを消す。
このように、問いによって読み方を変える必要があります。
国語が伸びない子は、全部同じように読んで、全部同じように解いています。
それでは伸びません。
国語の成績を伸ばすには、問題との会話を習慣にする
国語を伸ばすためには、問題との会話を習慣にする必要があります。
問題文を見たら、まずこう考えます。
何が問われているのか。
「どういうことか」なのか。
「なぜか」なのか。
「どのような気持ちか」なのか。
「何を指すのか」なのか。
「筆者の考え」なのか。
「本文から抜き出す」のか。
「選択肢から選ぶ」のか。
次に、答え方を決めます。
内容説明なら、イコールになるように説明する。
理由説明なら、因果関係がつながるように説明する。
気持ちなら、出来事と感情をつなぐ。
抜き出しなら、条件に合う場所を探す。
選択肢なら、本文と照合して正誤を決める。
そして最後に、確認します。
問いに答えているか。
本文に根拠があるか。
傍線部とイコールになっているか。
因果関係がつながっているか。
語尾が合っているか。
余計なことを書いていないか。
必要な要素が抜けていないか。
この作業を毎回やる。
これが、問題とコミュニケーションするということです。
国語が伸びない子にまずやらせるべきこと
国語が伸びない子に、いきなり大量の問題を解かせても効果は薄いです。
もちろん演習量は必要です。
しかし、考え方が雑なまま量を増やしても、雑な解き方が固定されるだけです。
まずやるべきことは、問題を分類することです。
これは「どういうことか」の問題。
これは「なぜか」の問題。
これは「気持ち」の問題。
これは「指示語」の問題。
これは「抜き出し」の問題。
これは「選択肢」の問題。
この分類ができるだけでも、解き方はかなり変わります。
次に、答えの根拠を言わせることです。
なぜその答えにしたのか。
本文のどこを見たのか。
他の選択肢はなぜ違うのか。
記述なら、どの要素を入れたのか。
語尾は問いに合っているのか。
これを確認します。
ここで説明できないなら、その問題は本当には解けていません。
正解していても、たまたまです。
逆に、不正解でも、考え方がかなり近い場合があります。
その場合は、修正すれば伸びます。
国語の指導では、正解・不正解だけを見るのではなく、思考過程を見る必要があります。
家庭でできる国語の見方
家庭で国語を見るとき、親が本文の内容を全部教える必要はありません。
むしろ、親が先生のように解説しすぎると、親子関係が悪くなることもあります。
家庭でまず見るべきなのは、次の点です。
問題文を読んでいるか。
何を聞かれているか言えるか。
なぜその答えにしたか説明できるか。
本文のどこが根拠か示せるか。
選択肢のどこが違うか言えるか。
記述の語尾が問いに合っているか。
これだけでもかなり違います。
親が「この答えは違う」とすぐに言う必要はありません。
まず聞けばよいのです。
「これは何を聞かれている問題?」
「どういうことか? なぜか?」
「答えは傍線部とイコールになっている?」
「その理由なら、傍線部につながる?」
「本文のどこを根拠にした?」
「この選択肢のどこが本文と合っている?」
「他の選択肢はなぜ違う?」
こう聞くだけで、子どもの解き方が見えます。
答えそのものより、解き方を見る。
これが大切です。
国語が伸びない原因を「センス」で片づけてはいけない
国語が伸びないと、「この子は国語のセンスがない」と言われることがあります。
しかし、それで片づけるのは早いです。
もちろん、文章への慣れや語彙力の差はあります。
読む速度や抽象的な理解力にも個人差があります。
しかし、中学受験の国語では、解き方を整えるだけで改善する部分がかなりあります。
問題文を分類する。
問いに答える。
本文を根拠にする。
内容説明と理由説明を分ける。
選択肢を本文と照合する。
記述の語尾を合わせる。
なぜその答えにしたか説明する。
これらは訓練できます。
国語が苦手な子の中には、文章が読めないのではなく、問題への答え方を知らないだけの子がいます。
本文を読んで、なんとなく解いて、丸つけをして、解説を読んで終わり。
このやり方を続けても、伸びにくいです。
国語は、もっと具体的に直す必要があります。
まとめ:国語は、問題とコミュニケーションできる子が伸びる
中学受験の国語が伸びない子は、問題とコミュニケーションができていないことが多いです。
何を聞かれているのかを見ていない。
「どういうことか」と「なぜか」を分けていない。
本文からそれっぽいところを抜いている。
選択肢を雰囲気で選んでいる。
記述で問いに答えていない。
正解しても、なぜ正解なのか説明できない。
これでは国語は安定しません。
国語で大切なのは、感覚ではありません。
問題文を読む。
問いの種類を見分ける。
本文に根拠を探す。
答えが問いに対応しているか確認する。
「どういうことか」ならイコールを作る。
「なぜか」なら因果関係をつなぐ。
選択肢なら、本文とのずれを見る。
記述なら、語尾まで問いに合わせる。
この一つ一つを丁寧にやる必要があります。
頭を使わずに、適当に抜いたり選んだりしても意味はありません。
国語は、本文と問題文との対話です。
問題は、必ず何かを聞いています。
その問いに対して、本文を根拠に答える。
それができるようになると、国語は少しずつ安定します。
逆に、それができないまま問題数だけ増やしても、成績は伸びにくいです。
国語が伸びないときほど、まず確認すべきです。
この子は、問題が何を聞いているか分かっているか。
なぜその答えを選んだのか説明できるか。
答えは傍線部とイコールになっているか。
理由と結果の因果関係はつながっているか。
本文に書いてあるだけでなく、問いへの答えになっているか。
ここを見れば、国語の弱点はかなり見えてきます。
国語はセンスだけの科目ではありません。
問題とコミュニケーションする訓練で、伸ばせる科目です。

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